抽象的なアルコールドリンク!Abstract ならずAbstrakt。
一言で言い表すと、「何これ、ビールなの?」
スパークリングワインのようなコルク栓でのシーリング。何か高級感ある。
外観は、ネビオーロ種ブドウを使ったワインのような黒ブドウワイン的な色合い。漆黒の黒といった感じです。泡は、見た目では、ほとんど無いです。ビールの縁がブラウンで見た目が凄く美しいです。
香りは、ロースト香と濃厚な黒みつのような甘い香り。カシスの香りも感じます。
飲んでみると、13%とという高アルコール度数らしい濃いボディです。でも、どこか、ドライな感じも有って、Brew Dogらしさが演出されています。味的には、モルティな甘味とともに酸味も感じます。ビールが喉を流れるときに、チョコレートやコーヒっぽい香りが鼻を抜けます(ローストされたモルトによるものかな?)。後味がかなりスパイシーです。美味しいんだけど、私のビール偏差値では難解なビールです。ビタネスは、他の味と比べると控え目ですが、忘れてはいけないファクターとしてちゃんと存在しています。
Abstract ならずAbstrakt、Abstraktは、HPによると、Brew Dogのビールブランドの一つで、1つの種類のビールに対して1度だけの醸造と販売を行います。かなりのメッセージ性を含んだビールブランドで、HPには濃いメッセージが見られます。例えば、directional, boundary pushing beers(方向性や境界を突き抜けたビール)、More art than beer(ビールというより芸術)。このブランドは、ボトルコンディションのみでリリースされ、AB:XX(XXは番号)とビールの名前の代わりにコードが振られます。
このビールAB:19は、2015年11月にリリースされ、13.1%という高アルコール度数のビールです。ちなみに、ワールドワイドで10,047本がリリースされています。そして、驚くべきは、賞味期限が2035年。20年エージングできるという、骨太なワインのような濃厚ビールです。ちなみに、ビールラベルには、ナンバリングが施されており、このビールには、10,047本中の857本とナンバリングされています。普段のBrew Dogとは違う、コレクター心を刺激する1本です。
醸造過程では、バレルでエージングした2種類のビール(ブラックとレッドのビール)をブレンドし、さらにラム酒のバレルでさらにエージングしたという、手の込んだビールです(高額ビールなのも納得です)。そして、このビールのカテゴリがインペリアルセゾンという、少なくとも麦子史上、初めてであったビールカテゴリです。
まさに抽象芸術のようなビールで、今までに飲んだことが無い香味のビール。しかも、一口、二口、三口と飲み進めて行くうちに、色々な香味が入れ替わり楽しめます。これは、是非複数人で感想を言いながら飲むのがお勧めなビールです。
ビタネス:2.5
モルティ:4
ドライ:3
酸味:3
スパイシー:3.5
炭酸:2
盛土麦子