Y.MARKET BREWING (ワイマーケット・ブリューイング) “Craft Hear Red (クラフト・ハート・レッド:俺の心に火を灯そう)”

私が、日本で大好きなブリュワリーのうちの一つで、恐らく今の日本で最も人気があると言っても過言ではないライジングスター的なブリュワリー。2019年に新しい醸造所を立ち上げ、最近になって、新醸造所での醸造も開始した。このビールは、以下の缶ビール初出荷4種類の内の1本であるCraft Heart Redだ。

Craft Heart Red
Anniversary WIPA
Purple Sky Pale Ale
Another Sky Pale Ale

これまでは、樽販売がメインで、ビアバーに行かなければ飲めなかった貴重な存在なブリュワリーだ。これからは、家でも飲めることは、本当に嬉しい。そして、銀色に輝く缶にラベルのシールを張ったシンプルな缶の作りは、今のクラフトビールの潮流だ。このブリュワリーのイメージは、新しいものを一早く吸収して、ユーザに提供してくれるブリュワリーといった感じだろうか。このビールの外観である赤は、このブリュワリーのイメージとピッタリな気がする。

こちらのブリュワリーのブリュワーである加地さんとは、立ち話程度だが、お話をさせていただいたことがあるが(といっても、彼は覚えていないだろうが)、凄く紳士な方で、良い人だった。加地さんが頑張っている姿を見るために、新醸造所のタップルームに、是非足を運んでみたいな。





缶の裏には、”LOT. CHR0001″なる記載が。今後、醸造を重ねる度に、カウントアップしていくのかな。

外観は、濁りが少しあるブラウンよりのレッド。ヘッドはほぼ立たずで、泡はキメ細かい。

香りは、キャラメルを思わせるモルトの甘い香りが印象的で、レモンを思わせるような酸味を感じさせる柑橘の香り。

飲んでみると、少々モルティなボディが、甘みを最初に感じさせてくれる。キリリと控えめながらもビタネスが感じられる。ビールを口に含むと、甘さとビタネスが渾然一体となってバランス良く味わえる。後口でも、甘さとビタネスが同居し、ビタネスの余韻がわずかに長い。ただ、強烈なビタネスではないので、このビールのアイデンティティを静かに主張する程度のビタネスが凄く心地よい。ビールが喉に流れるときの鼻に抜けるかすかなウッディな香りが、これまた心地よい。ホップによるものか、わずかにスパイシーな香味も味わえる。

凄く美味しいレッドエールだ。アルコール度数は、6.0%と少々高めなのだが、アルコール度数を感じさせないドリンカビリティの高いビール。

感覚なので、ナカナカ上手く説明できないのだが、高ドリンカビリティをうたうビールには水っぽいものが合ったりする。でも、このビールは、ビール成分と水成分とが分離せずに、2つの成分が渾然一体となり、そして、融合して、一つのものとして味わえる。勝手なイメージだが、Y.Marketは高ドリンカビリティビールにこそ彼らの真髄を垣間見せてくれる。

さて、このビール、名前からして、強烈な個性を主張するのかなと思いきや、意外にも、強烈な分かりやすい個性の主張は持ち合わせていない。このビールは、特徴を静かに味わいたくさせてくれる大人なレッドエールだ。最新のビールスタイルのリリースにも熱心なのにも関わらず、特徴を静かに楽しませてくれる、このようなビールを最初の缶のリリースに選ぶあたりが、骨太なブリュワリーだなと思えてしまう。志賀高原ビール然り、Y.Marketが貫く自分たちの道を行く骨太な部分は、今のクラフトビール界の人気者であることの源泉なのかも知れない。

ビタネス:3.5
モルティ:3.5
ドライ:2.5
酸味:2.0
スパイシー:3.5
炭酸:2.0

ウルケル田中



Y.MARKET BREWING (ワイマーケット・ブリューイング) “Craft Hear Red (クラフト・ハート・レッド:俺の心に火を灯そう)”

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