野生酵母を用いた醸造に定評があるOXBOW Brewingと日本で最も人気が高い醸造所の一つである我らの志賀高原ビールとのコラボビール。当然、限定醸造で、1,719本のリリース。運よく手に入れることができた。志賀高原ビール曰く、志賀高原ビール史上、最も酸味が強いビールだそうだ。
このビールは、野生酵母が用いられて、イチローズモルトのウイスキー木樽で最初の発酵が行われ、その後、ワイン樽で熟成され、醸造開始からおおよそ3年を経てリリースされたもの。醸造過程を聞くだけで、乳酸がシッカリと効いてそうなことが想像できる。
外観は、少し濁りがあるブラウン。ヘッドは、少しだけ立つ程度。泡はキメ細かい。
香りは、湿り気を感じさせる木の樽の香り。酸味を思わせるベリー系の香りも感じ取れる。
飲んでみると、ドライなボディに強烈な酸味。後口にも、シッカリと酸味が残る。鼻に抜ける香りは、木の樽の香りが支配的で、木の樽の香りは、最初の印象よりも控えめだ。不思議だ。樽の香りでは、ウイスキーの香りや、ワインの香りは、あまり印象に残らなかった。
酸味と樽香とのバランスが楽しい。外観は、ブラウンだけど、焙煎的香りは感じない。最初の一口目から最後の一口まで、シッカリと酸味が効いていて、納得のサワービール。美味しい。アルコール度数は9%と少し高めだが、高アルコールは感じさせず、スルスルと飲めてしまう。
サワービールは、少々高額ビールが多いけど、日常使いにOKな価格帯のサワービールの醸造って難しいのだろうか?低価格なサワービールがあると日常的に飲めて嬉しいのだが。でも、サワービールは、そんなに売れないから商売としは成立しないかなぁ。
樽熟成山伏シリーズは、長期熟成ビールだ。通常のビールは、フレッシュさが大事とされてきたが、志賀高原ビールに限らず、日本のブリュワリーでも、樽熟成ものも増えてきた。最近のビールは時を経て楽しむ飲み物にもなってきたな。これからは、日本でも、高額ビールの醸造が増えていくんだろうなぁ。
そういえば、地ビールが流行っていたころは、ジャーマンピルスナータイプのビールが750mlで超高額な2,000~3,000円で売られていな。今となっては、そんな醸造所はないけど、地ビール時代の多くのビールは、味がイマイチで、高額だったことを思い出した。それを思うと、日本のビールって凄く成長したと思う。これからの日本のビールにも目が離せない。ユーザとしては、そろそろ、日本発の新しいビールスタイルが生まれても良いんじゃないかとか思ってしまうのだが。日本スタイルIPA(JP-IPA)なんて生まれたら、嬉しいな。
ビタネス:1.0
モルティ:1.0
ドライ:4.0
酸味:4.5
スパイシー:1.0
炭酸:3.0
ウルケル田中