2019年8月現在の日本において、アメリカのビールは多種多様に入手できるようになっている。フレッシュさが求められるヘイジーIPAでさえ、レアなブリュワリーでも大分入手できるようになっている。ポスト、ヘイジーIPA的ポジションにあるフルーツを使ったブリュットなサワーも富みに入手できるようになってきた。ただ、そこには問題も山積している。ここで、多くの問題を挙げるつもりは無いが、ユーザ目線の私的には、兎に角、最近のアメリカンビールは高額だ。USパイントの缶が1,500円を超えることも良くある。正直、ビールじゃなくて、ワインの方が安く飲めるのでは無いかとさえ思ってしまう。そんな状況下で、ブリュワリーによる頑張りなのか、インポーターによる頑張りなのかは分からないが、Modern Timesのビールはリーズナブルな部類に入ると思う。アメリカでは、USパイントのIPA缶が7ドル程度で売っていたと記憶しているが、日本でも、1,000円以下で大部分のものが購入できる。これは、大分良心的だろう。
そんな、価格的にも納得感が在るブリュワリーのビールなのだが、最も重要なことは、こちらのビールには、その美味さで外したことがないことだ。単純に、凄く美味しいのである。商魂とビール醸造の職人魂とが上手く循環しているブリュワリーの一つだろうと思う。私の大好きなブリュワリーだ。
今回飲んだビールは、最近流行りのフルーツを使ったブリュット系サワーである。用いられたフルーツは、パッションフルーツ、そして、グアバだ。モルトには小麦も用いられている。カテゴリーとしては、ゴーセであり、サワービールに塩が用いられている。多くの汗をかく日本の夏の熱中症予防にピッタリなビールだ。
外観は、少し濁りのあるゴールデン。ヘッドは、注ぎたてはシッカリと立つ。泡はキメ細かい。
香りは、パッションフルーツとグアバが、シッカリと感じられる。フルーツの香りが満載だ。酸味を思わせる香りが、どことなくレモンっぽい。
飲んでみると、酸味がピリリと効いていて、一口目に強烈な印象を与えてくれる。そして、ビールが喉を流れるときの鼻に抜けるフルーツの香りが心地よい。個人的には、アジアンリゾートをイメージしてしまう。ドライなボディに酸味がシッカリと効いていて、そして、ガスも強めで、後口はスッキリだ。アフターでも酸味が口の中で長く続く。美味しい。
アルコール度数は4.8%と控えめで、塩も吸収できるので、暑い夏にピッタリのビールだ。
ちなみに、缶には、国際苦味単位(IBU)に“10”が刻まれている(IPAのIBUで40以上、国内の大手ビール会社のビールのIBUで20程度が通常の数値)。“10”は値的には物凄く小さい!もはや、苦さを示す必要が有るのだろうかと考えてしまうが、酸味を表す数値をビールで見たことがないので、情報の統一を図るという点では、しょうがないのかもしれない。個人的には、数値は、ビールを味わうときには参考にしないようにしているのだが、購入するときには、凄く有用かつ強力な情報だ。
ビタネス: 0.5
モルティ:3.5
ドライ:2.0
酸味:4.0
スパイシー:1.0
炭酸:3.5
ウルケル田中