スタイルはセゾン。一意専心との違いが何かと求められるとすると、それは香りだ。香りが明らかに違う。日本では純然たるセゾンビールを醸造するところは少なく（セゾン系といわれるビールはあるが）、自らビールのスタイルをセゾンビールと名乗るKyoto Brewingは、思い切ったことをするブリュワリーだ。

そんな常識に囚われない心意気が、京都醸造の訪問が目的となるように、京都の地元の人間だけでなく、世界中の旅行者をも巻き込む日本のクラフトビール界の巨大な台風の目になっているのだと感じてしまう。

外観は、少し濁りのあるゴールデン。ヘッドは少々立つ程度で、泡はキメ細かい。

香りは、クローブ香と、スパイシーな香り。クローブ香が強く感じられ、一意専心とは明らかに違う点だ。

飲んでみると、ドライなボディにピリリとビタネスが効く、そして、スパイシーな味わいが舌を刺激する。鼻に抜けるクローブ香が良い感じだ。

美味しい。香り以外のキャラクタは一意専心と似ている。一意専心とキャラクタが似ていたので、比較して飲めば良かったと後になって後悔した。でも、簡単は手に入らないビールなんだなこれが。そんな不便なところも、受け入れても良いと思えてしまう立ち位置のブリュワリーだ。アルコール度数は、一意専心より少々低めの6%。6%は、少々高めのアルコールだが、美味しいのでスルスルと行ける。これが外で飲めてしまう京都府民に嫉妬してしまう、京都への移住、悪く無い響きだ。

ビタネス： 3.5
モルティ：2.0
ドライ：3.5
酸味：1.5
スパイシー：3.5
炭酸：3.0

ウルケル田中