日本で最古孤高の存在であるフジロックで楽しむために、研究開発されたIPA。この夏Ver.が冬Ver.と一緒に比較して飲めるような、マニアックなリリースがあると嬉しいかも知れない。
外観は、濁りが強くて、ブラウンがかったオレンジ。ヘッドは少々で泡はキメ細かい。
香りは、マンゴー的なパッションフルーツ系の香りと、オレンジを主体として、グレープフルーツなどの柑橘系の香りが最初に感じ取れる。凄く良い香りだ。そして、干し草や松やになどの香りも感じられる。ホップヘッドを虜にする志賀高原ビールらしい香りを、余すことなく存分に楽しめる。
志賀高原ビールとしては比較的重めなボディだが、見た目の割にはドライさが感じられるボディにガッツリなビタネスが楽しめる。一口飲みこんだ後に、控えめな甘みとともに、ジューシーな味わいが楽しめる。ビールが喉に流れるときの鼻に抜ける干し草や松やにの香りも良い感じだ。さらに、スパイシーな香味も感じられる。後口でも、しっかりと口の中にビタネスが残る。
「おいおい、美味し過ぎるだろう」と唸ってしまう美味しいビール。同じ名前を冠してはいるが、リリース毎にスタイルさえ変えてしまう、作り手の遊び心が感じられるビール。夏Ver.はフジロック、冬Ver.はSNOW MONKEY BEER LIVEで楽しめる。そう、このビールは、音楽とともに味わうことを宿命とされたビール。当然に音楽と組み合わせて飲んだら楽しいのは分かっているが、ビール単体でも楽しめることは間違いない。
アルコール度数は6.0%だが、飲み手にもよると思うが、私的には、数値よりも高いアルコール度数を体感メーターは叩き出していた。音楽を楽しんでいて、体の感覚が耳に集中している最中であっても、一口味わうと、感覚の集中度が耳から鼻と舌に移動せずにはいられないと思えてしまう、美味いビールだ。
音楽を楽しむ時、お酒は必須のアイテムだ。でも、一般の音楽ライブでは、サーブされるビールの種類は1種類で、種類を選べるときがあると感動すらしてしまう。でも、フジロックでは、音楽を楽しみながら、クラフトビールも楽しめる。素晴らしい。それでいて、志賀高原ビールのようにフジロック用のビールを醸造したりしてくれる。久々に、フジロック詣に馳せ参じたくなった。久々のフジロックでテントはキツイから、近くの宿を取るか、日帰りにするかなどと色々を思案してしまう。
ビタネス: 4.0
モルティ:2.5
ドライ:3.5
酸味:1.0
スパイシー:3.5
炭酸:2.0
ウルケル田中