Pizza Port Brewingは、アメリカ カリフォルニア州のサンディエゴにあるブリュワリー。サンディエゴは、ビール醸造所にとって群雄割拠な土地として知られており、ビール好きには、外すことができない土地だ。サンディエゴといえば、Green Flash Brewing, Stone Brewing, AleSmith Brewing, Modern Times Beerなどの超有名ブリュワリーが存在し、さらに、あのミッケラーが醸造所を所有していることで知られている。サンディエゴには、一度だけ訪れたことがあるが、残念ながら忙しすぎて、Stone Brewingの定番のIPAしか飲めなかった。サンディエゴ、私の訪問したい土地リストには、常にトップ3以内にランクされている。
そんな競争著しい土地で常にトップレイヤーを走り続けているPizza Port Brewingが醸造するSwami’s IPAは、ブリューパブを本格的に開始した当初からサーブされているIPAだ。このビールは、あまりの人気に、ド定番化して、地元サンディエゴでは、オリジナルサンディエゴIPAと呼ばれている。そんな、熱烈なファンに愛され続けているビール、Swami’s IPAだ。
クラフトビールは、一期一会的な出会いが多くて、同じビールに出会うことは、簡単なことではない。特に、輸入ビールで、ドラフトとなると、一期一会以外の何物でもない。しかしながら、もしドラフトで手に入るのであれば、Swami’s IPAは、クラフトビール好きなら、絶対飲んでおきたいビールだ。地元の人から愛されていて、オリジナルサンディエゴIPAとまで呼ばれるビールだ。美味しいに決まっている。もし万が一、あなたの口に合わないIPAだったら、それはそれで、あなたの良い思い出になるだろう。なんといっても、あのサンディエゴで、オリジナルサンディエゴIPAと呼ばれるIPAだ、一期一会的出会いとして、良い意味でも、悪い意味でも、あなたの記憶に必ず残るビールのはずだ。
外観は、濁りが無い綺麗なゴールデン。ヘッドはシッカリ目。泡はキメ細かい。西海岸IPAの典型的な外観だ。
香りは、グレープフルーツ、オレンジを思わせる柑橘系の香り。ホップ系の香りとしては、干し草や、松やに的な香りはあまりなく、フルーティな香りが支配的だ。そして、ハチミツを思わせるモルトの甘い香り。
飲んでみると、ドライなボディにしっかりとしたビタネス。後口でもビタネスが口の中に残る。そして、アフターも長く楽しめる。ビールが喉に流れると、鼻に抜ける柑橘の香りが程よい。
アルコール度数は6.8%と少し高めなのだが、ドライなボディであまり高アルコールを感じさせない。高いドリンカビリティもこのビールの特徴だ。
西海岸IPAがトラディショナルと呼ばれ始めた昨今において、香味的には、特徴が無いところが特徴というか、イギリスで美味しいビターを飲んでいるような印象を与えてくれる。クラフトビールの一つのピークがIPAだったが、現在は、さらに多様化が進んでいる。今は、ピークが一つだけでなく、色々なビールスタイルごとにピークが発生していると感じる。こんなにも多様性に富んだ飲み物であるビールは、クラフトビール好きではない、あなただったとしても簡単にクラフトビールの世界の住人になれてしまう。住人になってしまうと、ピルスナーだけしか無い世界には最早戻れなくなってしまう。クラフトビールは、罪な飲み物であると、常々感じてしまう。
ビタネス:3.5
モルティ:2.5
ドライ:3.5
酸味:1.0
スパイシー:2.0
炭酸:2.5
ウルケル田中