Kaguaを醸造するFAR YEAST BREWINGは、日本では珍しくベルギースタイルに傾倒したビールを醸造し、お洒落なバーも渋谷で運営していることで有名だ。Kaguaシリーズは、ベルギーで醸造されており、彼らのコンセプトを最も体現するシリーズと言える。FAR YEAST BREWINGは、自身で日本においても醸造しているので、部分的にはファントムブリュワリーだ。最近のファントムブリュワリーは、実際に醸造したブリュワリーの名前を示すことが良くあるが、Kaguaシリーズでは、実際の醸造者は示されていない。
さて、Kaguaシリーズは産地を指定した柚子や、山椒などを使ったシリーズで、アルコール度数が高めだ。このあたりが、香りや飲み応えに影響を与えており、ユニークなビールの根源となっている。
クラフトビールでは、醸造者が前面に出てくることが多いが、FAR YEAST BREWINGには、そのようなことはなく、昨今の流行とは異なる方向性を示してくれる。
外観は、濁りのあるゴールデン。少しオレンジ色っぽくもある。ヘッドは少々立つ程度で、泡はキメ細かい。
香りは、クローブ香と、ヨーグルトを思わせる香り。
飲んでみると、ドライなボディにピリリとビタネスが効いている。酸味も味わえる。ピリピリとした舌への刺激が山椒の味わいを感じる。後口でも、控えめながらもビタネスを感じる。ガスは強めで、飲み口は爽快だ。
アルコール度数は6.0%と少々高めで、1本だけでも飲み応えがある。
ビタネス:3.5
モルティ:2.0
ドライ:3.5
酸味:3.5
スパイシー:3.5
炭酸:3.0
ウルケル田中