Y.MARKET BREWINGのホームページによると、このビールは、アメリカで流行っているスタイルだそうだ。そのスタイルは、ホッピーラガー。ホップをふんだんに使ったビール。この前、飲んだWhat the HELLとは違い、中々分かりやすい味わいのビールである。

流行りのスタイルを見つけると、湧き上がるその興味に基づいて醸造を行うあたりが、Y.MARKET BREWINGらしい。探求心に富んで、チャレンジ精神が旺盛なところは、間違いなく、Y.MARKET BREWINGの良いところだと思う。それでいて、ビールが美味しいという最重要なファクターを外していないのが素晴らしい。

 

 

外観は、透明なゴールデン、ヘッドは少々立つ程度で、泡はキメ細かい。

香りは、オレンジ系の柑橘の香りと、干し草や松やにの香りが強烈。ドライホップ系の香りが、超個性的。そして、キャラメル的甘い香りも感じられる。

飲んでみると、ライトでドライなボディに、少しだけ甘味を感じる。味わい的にはビタネスは凄く弱い。しかしながら、ホップの香りが超強烈。ホップの香り爆弾が口の中に投下されたかのような感覚。ホップによる味と香りのバランス崩壊により、笑いが込み上げてくるほど、変な個性なビール。ビールを口の中に入れた時には、干し草や松やにの香り、そして、ビールが喉を流れる時には、柑橘系の香りが感じられ、変幻自在な香りに圧倒される。ガスは強めで、後口は、スッキリだ。アルコール度数は5.5%だが、飲み口がライトなので、もっと低アルコールに感じてしまう。

ヘイジーＩＰＡが出現したときも、びっくりしたが、このビールにもビックリさせられた。このビールは、世間的には、ヘイジーＩＰＡほどのインパクトは無いのかも知れないが、自分的には、ヘイジーＩＰＡに相当するほどのインパクトを感じるビールだ。純粋なビールの材料である、水、モルト、ホップだけで、驚きを感じさせるビールを醸造できることを証明したビールだ。フルーツなどを加えたビールも、当然好きで良く飲むが。このビールが与えてくれるような感動は、やはり、水、モルト、ホップから醸造されたものに尽きる気がする。このビールにより、ビールの楽しさが、また増えてしまった。

このビールは、美味しいし、楽しい。苦く無いので、誰にでもお勧めできる。

ビタネス： 2.0
モルティ：3.0
ドライ：4.0
酸味：2.0
スパイシー：2.0
炭酸：3.5

ウルケル田中