最近見かけるようになったBrut IPA、2019年世界で最も注目されているスタイルの一つだ。ウエストコーストIPAのドライ感のさらに上を行く、辛口なIPA。常に新しいスタイルが増えていく、そんなスタイルであるIPAは、やはりクラフトビール好きに最も愛されている。
※Brut IPAについて
アルコールは、イーストが糖をアルコールと炭酸に分解することによって、醸造される。イーストは、どんな糖でも分解できるかというと、そうではなく、ある種の糖しか分解できない。Brut IPAでは、イーストが分解できない糖を、酵素によりイーストが分解できる糖に分解する。そして、イーストが分解できる及び分解できない糖の両方をイーストが分解することによって、可能な限りビールに残る糖を減らせることができる。このようにして醸造されたIPAがBrut IPAと呼ばれる。なので、Brut IPAは、糖の量が通常のIPAより少ないので、よりドライに感じるIPAだ。ドライなIPAでは、ウエストコースト系IPAというジャンルがあるが、よりドライで辛口なIPAがBrut IPAとなる。Brut という用語は、よくワイン、特にシャンパーニュやスパークリングワインに使われる。意味は、辛口という意味で、よりドライなワインがBrutと呼ばれる。Brut IPAにおいても、ワインと同様に、辛口な味わいを意味させるために、「Brut」という用語が使われている。
外観は、透明で綺麗なゴールデン。ヘッドはあまり立たずで、泡はキメ細かい。
香りは、レモン、パッションフルーツを思わせる香り。そして、どことなく、クリームを感じさせる香り。
飲んでみると、超ドライな味わい。ビタネスも控えめ。ビールが喉に流れるときの香りもレモン、パッションフルーツの香りが控えめに感じられる。美味しい。特筆の部分は、ドライでアルコール感を感じないにも関わらず、アルコール度数が6.0%と意外にも高め。
味わいが深くないところに美味しさを感じる。かといって、のど越し重視ではないところが不思議なビールだ。このビールは、どことなく、以前飲んだ志賀高原ビールのSmolと共通点を見出さずにはいられないビールだ。自分的には、SmolもBrut IPAのスタイルに近いと考えている。
ビタネス: 2.5
モルティ:3.5
ドライ:1.0
酸味:1.0
スパイシー:1.0
炭酸:3.0
ウルケル田中