このビールは、木樽で2年熟成させてブラウンエールがベースだ。熟成したブラウンエールに志賀高原ビール謹製の木苺(ラズベリー)を加えたラズベリー・ブラウンエールをさら熟成すること1年。ラズベリー・ブラウンエールを瓶に詰めなおして、瓶で熟成すること、15ケ月。世に出るまでに4年以上の歳月を掛けた豪華なビールだ。発売された瓶は897本なので、世界で本当に一握りの人しか手に入れることができなかったビールだ。ちなみに、バッチナンバー(製造番号)は「1」だ。
値が張るビールだが、醸造プロセスの説明を聞いてしまうと購入せざるを得ないと思ってしまう一般的なビール好きのレベルを超えたビールクレイジーのみにお勧めできる特殊なビールだ。もはや、ビールではなくワインを購入した方が安い。でも、飲んでみると、美味しいのである、ビールなのかワインなのかの区別なんてしなくてもよいと思えてしまう。
感覚を共有できる人がいると嬉しいのだが、アルコール感が強いワインを飲むなら、間違いなく、このビールを飲むことを断然おすすめできる。自分がいうアルコール感とは、度数的なアルコールのことではなく、アルコールが際立つ特徴とか、アルコールが刺す感じとでも表現できるかと思う。ビールでも、アルコール感が強いと飲んでいてガッカリするので、ビールだろうが、ワインだろうが、どんなアルコール飲料でもアルコール感については同じだ、というのがウルケルの持論だ。今回の山伏は、アルコール感が飲料の香味と混然一体となっていて、アルコール感が弱められていないと美味しさを感じないことを、再認識させてくれた。
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